厳かに翁舞 吉野町・浄見原神社で国栖奏
天武天皇をまつる奈良県吉野町南国栖の浄見原(きよみはら)神社で23日、地域住民でつくる保存会(和泉安修会長)が「国栖奏(くずそう)」(県無形民俗文化財)を奉奏した。
国栖人は昔、応神天皇をもてなし、壬申の乱では大海人皇子とともに戦って天武天皇即位をことほいだ。以後、国栖奏は宮中の大嘗祭(だいじょうさい)に奉奏されることになった。
同神社では毎年旧暦正月14日に祭礼が営まれる。コロナ禍の影響で非公開が続いたが、今年は4年ぶりに多くの見学者が見守った。保存会の男性9人が翁の装束で舞うなどし「延栄(えんえい)」と囃(はや)した。
保存会が制作した冊子「国栖奏」の文を担当した同町殿川の吉村寿代さん(49)は「おまつりした天皇さんのために、地元自治会と保存会が助け合ってひっそりと息づく伝統が今も続くことに心を打たれます」と話した。