「奈良愛」胸に自然と一体化 書家・桜風さんが平城宮跡で揮毫
御所や橿原方面など散策
奈良に来県中の書家・桜風さんが15日、奈良市佐紀町の平城宮跡第一次大極殿前で、書のパフォーマンスを行った。「この場に立ったら自然と筆を執りたくなった」と奈良愛を語った。
桜風さんは静岡県磐田市出身で、現在は千葉県成田市在住。7歳のころから書道を始め、中学3年生の時に10段となり師範の免許も取得している。大学卒業後はマスコミ業界に就職したが、「本当に自分らしい生活をしているか」と一念発起して独立し、書道の指導者の道を歩んできた。
本名である「加茂」の名字の発祥が御所市鴨神の高鴨神社にあると知り、同神社を訪れるなど奈良に愛着を深めてきた。今月11日の紀元祭には高鴨神社近くの葛木御歳神社に行き、「ご先祖さまにお参りしてきた」という。この時に同神社のお守りのデザインを依頼されるという縁があり、これも近く公表される。
このあと、御所市や橿原市方面などを散策し、15日には平城宮跡に到着。周囲を山で囲まれた景色のなかに「門(朱雀門)がポツンとあって、自然と一体化した光景に圧倒され」た。大極殿の前の広場に、縦2.5メートル、横2メートルの和紙を置き、長さ1.6メートルの筆を執った。
まず瞑想して呼吸を整えた時に浮かんだ「然」の文字を、一気に書き上げた。
無観客のなかでのパフォーマンスだったが、「自然と一体化できた」と満足そう。「奥深い奈良がますます大好きになりました。近いうちに必ず奈良に移住してきます」と奈良愛を口にした。