【深掘り】木工、漆工、金工など最先端の技術結集 - 高松塚古墳の木棺を復元

奈良県立橿原考古学研究所(橿考研)を中心とした研究チームが、極彩色壁画で知られる高松塚古墳(7世紀末〜8世紀初め、明日香村)の木棺を復元した。現代の最新の科学的分析手法や最高の工芸技術を駆使。黒漆を重ね塗りした表面は金銅製の金具が飾られ、内面には水銀朱が塗られて、重厚な姿が現代によみがえった。(竹内稔人)
内容
- 科学的な根拠基づき復元
- 当時も製作時にアクシデントか
- 渡来系の技術、在来のデザイン
- 玉虫の羽で再生の祈りか
科学的な根拠基づき復元
高松塚古墳で壁画が発見された1972(昭和47)年。鏡や大刀の金具、玉類などとともに、多くの木棺関係の遺物が出土した。
高松塚壁画の発見50周年を機に2022〜23年、橿考研や東京芸術大学、奈良文化財研究所、東京文化財研究所の研究者でつくる研究チームが、木棺と棺台の復元に取り組んだ。出土した木棺片や金具類、鎌倉時代の盗掘時に石室の壁に付いたひつぎと棺台の接触痕跡など、これまでに蓄積されたデータを基にした。