5本指で地面をつかめ! 「レーブ」 - 奈良の自慢企業(14)
オーダーメードのインソール
スポーツ選手が支持
「オーダーメードのインソール」と聞くと、履き心地は良さそうだけど値段が高かったり、自分の足に合わせて測って作るという手間が面倒だと感じてしまうのでは~
レーブの中川智社長は、製造業や自動車販売業、商社での勤務経験を経て26歳で金属製品の加工やプラスチック成形を行う「サーテック」を、同社に先立って創業した。現在も稼働するサーテックでは、経済産業省との産学連携プロジェクトで竹を使った給食用のプラスチック弁当箱の開発に携わった経験もあり、取引先の要望に合わせて一から始める企画立案を得意としていた。
サーテックの運営と並行して31歳で始めたロードバイクの趣味が高じ、実業団のエリートコース、その後はUCI(国際自転車競技連合)に登録するUCIコンチネンタルチームに所属、プロツアーにも参戦していた異色の経歴を持つ。
そんな中川社長が、商社での勤務経験や産学連携プロジェクトの経験を生かしながら、スポーツともリンクでき、かつ輸入に頼らずメイド・イン・ジャパンで作ったものを国内、海外に展開してみたいと考えた末に行き着いたのが、オーダーメードインソールの製造だった。
サーテックにはプラスチック成形の設備もあり、商品のクオリティー、デリバリー、コストをグループ内で補完できることから、レーブが製造を外注している。
レーブのインソールは「5本指」が特徴で、「自転車用」「ゴルフ用」「オールジャンル」に加え、サッカーやラグビー、野球のスパイク用「ハイグリップ」の4種が展開されている。価格は全て税込み9900円。ソール自体はあまり劣化せず、表面のシートも貼り替えられるため、長持ちするそうだ。摂氏60度で液体になるプラスチックを使用して開発されているため、家庭で湯煎して靴に入れ、20分間立って待つだけという手軽さも受けている。
今では自転車ロードレースの全日本選手権優勝者や、ゴルフのドラコンプロ、野球選手など幅広いスポーツマンから支持を得るようになった。また年内にはパンプスやヒールといった女性用の新商品を皮切りに、「オーダーメードインソールがインスタントになる!?」新たな商材の市場投入も計画されている。
筆者もゴルフシューズに見えないチューンナップを施し、ベストスコアを目指してみたいものだ!
(帝国データバンク奈良支店長・近藤穣治)
【レーブ】
広陵町広瀬292の3