龍田古道デジタルで再現 5月23日から三郷町立図書館で展示
奈良県三郷町と大阪府柏原市は、両市町を結ぶ日本遺産「龍田古道」の奈良時代のイメージをデジタル技術で再現した映像作品「龍田古道亀の瀬絵巻」を制作した。同市安堂町の同市役所で19日まで展示。23日から6月2日までは同町勢野西1丁目の町立図書館2階でも展示される。
「龍田古道」は2020年に日本遺産に認定され、両市町は協働してさまざまなPR活動を展開。その一環として今回、数多くのアニメーションを手がける映像作家の重田祐介さんに絵巻の制作を依頼した。約1年かけてピクセルアート(ドット絵)で奈良時代当時の様子を再現した縦約40センチ、横約95センチのデジタル絵巻を完成させた。
「絵巻」には、平城京から難波宮へと続く道程と龍田大社、法隆寺、河内六寺などの古道沿いの寺社が描かれ、天皇が行幸する様子を約10分間の動画で見ることができる。
また、万葉集に収められている龍田の桜の美しさを詠んだ奈良時代の歌人、高橋虫麻呂の和歌が優美な音楽とともに浮かび上がる。
今月9日、同市役所で開かれた除幕式では、森宏範町長が「当時の情景への想像が膨らむ素晴らしい作品。龍田古道の歴史を多くの方に知ってもらう機会になれば」と語った。
三郷町立図書館での展示は午前9時30分から午後5時まで。水曜休館。6月6日以降は柏原市歴史資料館で常設展示される。