井手寺の実像浮かぶ - 「発掘された日本列島2022」展
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◆ 新発見考古速報展 ◆
軒丸瓦(のきまるがわら)
栢ノ木遺跡(京都府井手町)
奈良〜平安時代
平城宮と同じ文様のハスの華を図案化した軒先の丸い瓦。直径16・6センチ。
栢ノ木遺跡では、朝廷左大臣として活躍した橘氏が建立したとされる巨大な古代寺院、井手寺の塔とみられる基壇が見つかっている。
基壇の周囲から出土した大量の瓦の中には平城宮や平安宮と同じ文様があり、宮都とのつながりがうかがえる。
土師器(はじき)、須恵器などの出土品から、塔は平安時代前半に建立され、老朽化により鎌倉時代に倒壊したと推測される。井手寺周辺の遺跡は橘氏の権勢を示す氏寺の実像を物語っているといえる。
「発掘された日本列島2022」展は2月12日まで。観覧無料。