音羽山観音寺 後藤住職の花だより - 参拝客がいっぱい編 2022年秋
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ひと月経って寺を訪ねると庭の雰囲気がすっかり変わっていました。ミョウガの葉は、すっかり刈り取られ、ワレモコウも根元あたりから切り取られていました。春に咲くムラサキハナナの芽がミョウガの場所から出ています。次の花のために庭をすっきりさせたようです。
ムラサキハナナの芽
気持ちの良い季節 参拝者が次々と
昼間は少し暑くても日陰に入ると涼しくて過ごしやすい季節になりました。
記者がお寺へ向かって行くとき、駐車場にいる参拝者らしい人を横目で見てました。記者が先に到着。寺の玄関でスズムシの鳴き声が響いていました。
机の上にモノタロウのカタログ。山の中腹のお寺では鹿よけや参道の修復に必要なものばかりです。住職は手紙を書いていました。
「もう参拝者がいらしたの?じゃあ郵便屋さんに依頼するお札と手紙を書くの急がなくちゃ」
音羽三山に行く、登山客の団体も訪れます。3つの団体が境内を埋め尽くしていました。その中の1つの団体に、古くからの支援者の姿があったそうです。
「その方ね。お孫さんと一緒にお寺に来てくれたことがあったの。展望台まで行くというから『ただ行くだけじゃもったいない』と思って空のカゴを背負ってもらったの。平成10年の台風で倒れている木が多かったからね。薪用に枝を拾ってもらったの。倒木は芯だけ残っているから薪にするとよく燃えるのよね」
支援者たちはカゴいっぱいに拾ってきてくれたそうです。
「すごく助かっちゃったの」
ただ大変な作業だったらしく、「1回で終わっちゃった。もう来てくれないわね」と寂しそうに話します。
参拝客がお弁当を広げるとオサムも何か食べたくて吠えてしまう
そのため住職がオサムにおやつを与えていた
郵便屋さんが来る時間は午前中。今日は到着が遅れているようです。
「前は荒れた道しかなくて郵便屋さんが途中から歩いて手紙を届けてくれたの。年末の忙しいときに電報があるとかで届けて来てくれたことがあって、申し訳ない思いをしたこともあったわ」
郵便屋さんが新しいモノタロウのカタログを持って到着したのはお昼過ぎ。ちょうど団体客がいなくなった時間帯でした。参拝客が多いと参道をふさぎます。時間調整をしているのかもしれません。
音羽山観音寺
山の中にある尼寺。桜井市南音羽
JR・近鉄桜井駅下車、桜井市コミュニティバス談山神社行、下居下車、約2km。火曜日閉門。
17日の御縁日が火曜日の時は開門、翌日閉門。