歴史文化

大和古寺・お参り日記【7】 - 芳徳寺(上)

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何かを見据えるような柳生但馬守宗矩公坐像

 奈良市の東部、「剣聖、柳生の里」として知られる柳生町に、神護山芳徳寺はある。1638(寛永15)年、柳生宗矩(むねのり)が亡き父石舟斎宗厳(むねよし)の菩提を弔うために創建、以後、徳川将軍家の兵法指南役を務めた柳生家の菩提寺として続いた。

 

 かつてこの地を治めた柳生氏の居城、柳生城があった場所と伝わり、山道を少し登ると道場、そして奥に寺門が見えてくる。緑あふれる見晴らしのいい場所だ。

 

見晴らしのいい場所に建つ

 

 

 現在の本堂は1711(宝永8)年の火災後の再建。前方に3室、後方に3室、計6室で周囲に縁側を巡らす奈良市唯一の禅寺方丈建築で、1992年に解体修理が行われ、奈良市の文化財に指定された。

 

 同寺の開山は大徳寺の住職だった沢庵宗彭(たくあんそうほう 1573~1645年)。宗矩と親交があり、吉川英治の小説「宮本武蔵」でもおなじみだ。朝廷と幕府が対立した1627年の紫衣(しえ)事件で出羽国に流罪となったが、赦免後、宗矩が将軍家光に頼んで柳生に呼び寄せ、同寺を開いたと伝わる。

 

沢庵和尚坐像

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