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逢香の華やぐ大和 生駒山上遊園地(奈良県生駒市)

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園内から見える絶景

開園90年超の歴史

ケーブルカーから降り立つ逢香さん=生駒山上駅

 

 書家の逢香さんが県内の社寺や名所を訪ね、地域の魅力を発信する「逢香の華やぐ大和」。今回は開園から90年以上の歴史がある「生駒山上遊園地」へ。童心に返ってアトラクションを体験、生駒山上に設置されている「NHK電波塔」も見学しました。(滝村正巳)

 

 

鳥居前駅からケーブルカーで生駒山上遊園地へ

 生駒ケーブルは1918(大正7)年に日本初のケーブルカーとして誕生、100年以上の歴史がある。

 

 近鉄生駒駅に隣接する鳥居前駅からケーブルカーに乗り込んだ逢香さん、16分後に山上駅に降り立ち、やや上り坂になっている遊園地に向かって一歩踏み出すと、「わあ、山全体に広がっていますね、遊園地の景色が!」と歓声を上げた。辺り一面、色とりどりの夏の花が出迎え、逢香さんは花畑に入って「華やぐ大和ですから!」としばしご満悦の様子。

 

「花がたくさんありますね!」と喜ぶ逢香さん=生駒山上遊園地

 

 

スタッフの案内で園内を見学

 同遊園地のスタッフ、山根幹雄さんは「園内に一般道が通っているので閉門はせず、休園日でもハイカーが園内で休んだりしています。だから入園料はないのです」と空中を自転車で散歩して眺望を楽しめる「サイクルモノレール」へと案内した。

 

サイクルモノレールに乗り込み、「さあ出発!」

 

 2人乗りでペダルをこいで自力で進むモノレール。逢香さんは一人で乗り込んで「え~、自分でこぐの~」と笑いながら出発。大阪市や大阪湾が遠くに見える地点を通過すると、今度は眼下に奈良市内が見えてくる。「素晴らしい眺め。自分でスピードを調節できるのがいいですね。ぜいたくな時間でした」と感想。

 

眼下に奈良市が見渡せる絶景ポイントで一時停止

 

 

国内最古の飛行塔へ

 1929(昭和4)年に造られ日本で一番古いとされる「飛行塔」の飛行機に乗り込む。

 

飛行塔の複葉機に乗り込む逢香さん(右)と山根さん

 

 山根さんは「この飛行塔は開園当初からずっと存在しています。戦中は防空監視塔としての役割を担っていたため、鉄製品として拠出されることはありませんでした」と歴史を紹介、「親子で乗っていた親が祖父母となり、孫が生まれて3世代で一緒に来てくれます」と人気の高さをアピール。

 

 鉄塔からつり下げられた複葉機の一つに乗り込むと、ゆっくりと回りながら上昇を始めた。「風を感じて気持ちいい。360度、奈良から大阪まで見渡せる」と逢香さんも大感激の様子だった。

 

飛行塔の複葉機から辺りを見下ろす逢香さん(最後列手前)

 

 

新アトラクション登場!

 「シューティングライド ビーム★スターズ」は今年新たに誕生した乗り物型シューティングマシン。1台4人乗りのファミリー向け屋内型アトラクションで、「ヘンテコリンな宇宙船」から出てくる「悪者キャラクター」を、「空飛ぶ船」に乗りながらレーザービームでやっつける。

 

 1周して戻ってくるとシューティングスコアが表示される。逢香さんは1回目1万2千点。2回目2万9800点。最高得点を示す掲示板には7万点を超えるスコアがいくつも表示されていた。「どうやったらあんな高いスコアが出せるの?」と何度でもトライしそうな笑顔を見せた。

 

夢中でレーザービームを発射

 

 

生駒山頂の標識の周囲をSLで1周

 SLの線路の内側に、この地点が標高642メートルの山頂であることを示す小さなストーンサークルと標識が立っている。逢香さんはSLの客車にまたがり、機関車は煙突から煙を吐きながら2周した。「マニアじゃないとこの標識は気が付かないですね」と山根さん。

 

「一等三角点(六四二米)」と記された標識

 

 

電波塔群を見学

 遊園地から少し離れると、山の尾根伝いにいくつもの電波塔が立ち並んでいる。NHKをはじめとする各放送局のテレビやラジオの送信所。逢香さんは「この塔から関西各地に電波を届けてくださっているのですね。ありがとうございます」と感謝した。

 

感謝の気持ちを込めてNHKの電波塔前で合掌する逢香さん

 

 

逢香の目

 

完成した作品を手にほほ笑む逢香さん。後方は飛行塔

 

 空と生駒山を背景に、小さく右端に飛行塔を描いた色紙に「空かける 思ひ出と電波 生駒山」としたためた。

 

 「飛行塔に初めて乗りました。深い歴史のある塔、見渡す限りの絶景。この遊園地はとても素敵な憩いの場所であると知りました。レトロな乗り物に乗っていると、人との距離が近くなって、思い出がより深くなると感じました」と一日を振り返った。

 

メモ

◆生駒山上遊園地

 生駒市と大阪府東大阪市にまたがる生駒山の山上にある遊園地。標高642メートル。1929年に開園した。近畿日本鉄道が所有し、近鉄生駒レジャーが「信貴生駒スカイライン」も含めて運営する。入園無料。各アトラクションの乗り物料金やお得チケット、営業時間はホームページなどを参照。夜景を楽しめるよう、夏は営業時間を延長している。マイカーの駐車料金は1500円。生駒ケーブル鳥居前駅から生駒山上駅までの料金は大人片道500円。小児半額。

 

◆書家/逢香(おうか)

 奈良市在住。奈良教育大学伝統文化教育専攻書道教育専修卒業。6歳から書道を学ぶ。2020年、橿原神宮御鎮座130年記念大祭の題字を揮毫(きごう)。同年、元興寺(奈良市、世界遺産)の絵馬の書・画・印デザインを手掛ける。大学時代に個性豊かな妖怪に興味を持ち、「妖怪書家」としても活動。奈良市観光大使、(一社)モノモン代表。

 

 

 「逢香の華やぐ大和」は奈良新聞社とNHK奈良放送局のコラボ企画で毎月1回掲載。NHK「ならナビ」(午後6時30分~)内で2024年8月20日に放送されます。

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