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逢香の華やぐ大和 御杖神社(奈良県御杖村)

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童心に返り「夏」満喫

涼しげハンゲショウ

涼しげなハンゲショウにうっとりする逢香さん=御杖村神末の「岡田の谷の半夏生園」

 

 書家の逢香さんが県内の社寺や名所を訪ね、地域の魅力を発信する「逢香の華やぐ大和」。今回は御杖村神末の御杖神社と「岡田の谷の半夏生(はんげしょう)園」、さらにみつえ青少年旅行村へ。涼しげなハンゲショウの花を鑑賞し、アマゴのつかみどりも体験、夏満喫の一日となりました。(田中正幸)

 

 

日本書紀ゆかりの御杖神社へ

 まずは御杖神社へ。日本書紀で、天照大神(あまてらすおおみかみ)を祭る土地を探して旅をしていた倭姫命(やまとひめのみこと)が立ち寄ったとされ、候補地の印として自分のつえを残したという。神社の名称もこの伝承に由来。境内には樹齢600年以上といわれるご神木もあり、神秘的な雰囲気に包まれている。

 

 この日は同村のイメージキャラクターで観光PR大使でもある「つえみちゃん」がお出迎え。逢香さんにつえを手渡し歓迎した。社殿に参拝した逢香さんは今回の旅の無事を祈った。

 

御杖神社では村のイメージキャラクター「つえみちゃん」がお出迎え

 

御杖神社の拝殿で手を合わせる逢香さん

 

 

みつえ青少年旅行村でアウトドア体験

 次に向かったのは、みつえ青少年旅行村。バンガローを備えたキャンプ場やジャンボ滑り台などさまざまな施設があり、逢香さんは真っ先にジャンボ滑り台へ。この滑り台、全長約140メートルもあり、逢香さんも大興奮。少し緊張の混じった笑顔で頂上に上がり、いざゲートへ。「きゃー!速過ぎる!」とあまりのスピードに驚く逢香さん。「正直なめてました。大人でも全然楽しめます!ユニバにも負けないくらい楽しい!」と満足げな笑顔を見せた。

 

「ユニバにも負けないくらい楽しい!」とジャンボ滑り台に大満足=みつえ青少年旅行村

 

 

アマゴつかみ体験

 興奮冷めやらぬまま、空腹を満たしにアマゴのつかみどりへ。運営している古谷昌三さん(82)につかみ方を教えてもらい、いざ挑戦。「しっぽをつかむと逃げるし、へばると岩の隅に寄るからそこを意識して取ることが大事。頭からつかんで」。古谷さんのアドバイスを受けて挑戦するが、アマゴの方が上手でなかなかつかまえられない。

 

古谷昌三さん(左)からアマゴのつかまえ方を教わる

 

 翻弄(ほんろう)され、格闘すること30分。「やった!つかまえた!」。本人もビックリの様子で、アマゴを手にして写真を一枚。つかまえた魚は古谷さんらが下処理し、隣のバーベキュー場ですぐに焼いて食べることができる。

 

「つかまえた!」とアマゴを手にする逢香さん

 

 今回は塩焼きで食べることに。逢香さんは、「アマゴの体が心配で、初めはしっぽばかりつかんで逃げられちゃってた。頭の方を狙ったら、つかまえることができました」とこんがり焼き上がったアマゴに舌鼓を打った。

 

 

岡田の谷の半夏生園

 最後に向かったのは「岡田の谷の半夏生園」。夏至から数えて11日目から5日間を「半夏生」といい、その頃に花を咲かすことから「半夏生」と名付けられたドクダミ科の植物。葉の半分が白く色づいて半分化粧しているように見えることも名前の由来という。約3千平方メートルの土地いっぱいに広がるハンゲショウに、「葉っぱに雪が降ったような白さで目に涼しい感じ」と逢香さん。園内を回り、最後は広大なハンゲショウ園を背景に「華やぐわ~」。道中で見つけたアマガエルも気に入った様子で、一緒に写真を撮った。

 

アジサイの咲く道を「岡田の谷の半夏生園」に向かう逢香さん

 

 

逢香の目

 

御杖村での一日をクレヨンを使って作品に起こす

 

完成した作品を横にほほ笑む逢香さん

 

 短い旅を終えた逢香さんは「御杖村でのたくさんの経験は本当に素晴らしいものでした。ハンゲショウはきれいで幻想的。今回は御杖村の杖『stick』をもじって、『fantastick』と入れました!」と笑顔で解説。半夏生の葉を表現するために白の和紙を使い、黒のクレヨンで水墨画風に仕上げた。最後に「御杖村の『杖』のお話は非常に奈良らしくて好きなお話です。みつえ青少年旅行村は家族でも全年代でも遊べて自然が多いのが魅力的。ハンゲショウがもっと全国に広まってほしいです」と締めくくった。

 

メモ

◆みつえ青少年旅行村

 霧氷で知られる三峰山(1235メートル)の麓に広がるアウトドア施設。キャンプやフィールドアスレチック、川遊びなとが楽しめる。全長140メートルのジャンボ滑り台は圧巻。夏にはホタルも見られる。御杖村神末1790。施設利用は予約が必要。予約はデジタルサイトから。

 

◆書家/逢香(おうか)

 奈良市在住。奈良教育大学伝統文化教育専攻書道教育専修卒業。6歳から書道を学ぶ。2020年、橿原神宮御鎮座130年記念大祭の題字を揮毫(きごう)。同年、元興寺(奈良市、世界遺産)の絵馬の書・画・印デザインを手掛ける。大学時代に個性豊かな妖怪に興味を持ち、「妖怪書家」としても活動。奈良市観光大使、(一社)モノモン代表。

 

 

 「逢香の華やぐ大和」は奈良新聞社とNHK奈良放送局のコラボ企画で毎月1回掲載。NHK「ならナビ」(午後6時30分~)内で2024年7月9日に放送されました。

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