奈良市でJT「Rethinkフォーラム」 「笑い飯」の哲夫さんがトークショー 山下真知事らと「日帰り観光からの脱却」をテーマにディスカッシ
首長とタレント・文化人らが地域が抱える課題の解決策について公開討論する「Rethink(リシンク)フォーラム」(奈良新聞社主催)が19日、奈良市三条大路1丁目のJWマリオット・ホテル奈良で開かれた。漫才コンビ「笑い飯」の哲夫さんが「哲夫流 新たな視点の見つけ方」と題してトークショーを行った後、山下真知事らを加えた3人で「日帰り観光からの脱却」をテーマにディスカッションを行った。
日本たばこ産業(JT)が2020年6月から「視点を変えて、物事を考える」をキーワードに地域のパートナー企業らに協賛する形で実施する「Rethink PROJECT」の一環。
トークショーで、哲夫さんは今年4月に生まれ故郷の桜井市に家族を連れて戻り米作りなどをしていると報告。芸能活動を中心に、趣味の写経や塾経営など幅広く手がけていることが「新たな仕事につながり、ネタになる」と話した。
また、「俺って面白いかも」と思うきっかけは、県立奈良高サッカー部での3年間の補欠時代だったと紹介。練習後、駅に向かうまでの大喜利の時間は「一軍も一軍。レギュラーだった」と話し会場を沸かせた。
ディスカッションには、奈良の古民家を用途変更して行う宿泊事業などを手がける「narrative(ナラティブ)」の大久保泰佑社長も参加。「(利益を最大化しようとする)商業主義に陥らないことが大切」と文化財を扱う上での注意点を説明した。哲夫さんは社寺や史跡を楽しむコツとして「予習が大切。予習できる機会や方法を増やしてはどうか」と提案した。
山下知事は「スマホ利用の個人客に対していかに訴求していくかが大切」と述べ、今後県が取り組む観光事業を紹介。近く世界最大手のオンライン旅行会社「エクスペディア」(本社・米国)と連携協定を結び、特設サイトで県の魅力を発信することや、県が提案しJR西日本が25年1~3月に実施予定の万葉まほろば線・和歌山線・大和路線をつなぐ環状区間の沿線酒蔵試飲サービス付き周遊パスの販売(JR西が発売)などを挙げた。
また、平城宮跡歴史公園南側に位置する県所有の空き地(現在は大型観光バスの駐車場として暫定利用)の有効活用が課題とした。