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「三峰山でクマが目撃されたようだ」。18日の夜、本社に一報があり、村役場への確認に追われた。御杖村の三峰山は標高1235メートル。霧氷で知られ、日本三百名山の一つに数えられる。
クマは山中に設けられた山小屋の近くで登山者が目撃、村に連絡したという。秋は冬眠に備えてクマの行動が活発になる時期だけに登山者は注意が必要だ。
紀伊半島地域のツキノワグマは絶滅の恐れがあるとして環境省のレッドリストに記載されている。6月には宇陀市に近い吉野町柳で猟師がツキノワグマに遭遇、攻撃から身を守るためやむなく射殺した。
これを受け、県は吉野川以北地域をツキノワグマの保護管理重点地域に追加することを決めた。
里山の消失などによるツキノワグマの行動範囲の拡大は生息各地で報告されており、奈良県も例外ではない。本年度の目撃数は8月時点で既に過去最高に達している。
クマのためにも人のためにも、遭遇しないことが何より大切。音の鳴るものを身に付ける、ごみは持ち帰る、出没場所に近づかないなど、基本を大切にして良き共存関係を続けたい。(増)