3分待ちのカップ麺にお湯を注いで用事に…
3分待ちのカップ麺にお湯を注いで用事に追われていたら、知らぬ間に10分以上たっていた―。そんな経験はないだろうか。汁を吸った麺はずっしりと重く、箸も進まない。
説明通り3分で食べれば食感はまるで違う。おいしく食べるには麺がのびてしまわないよう気を配ること。
冒頭から卑近な例で恐縮だが、政治の世界はどうだろう。今年は参院選に加え、県内の10市町村で首長選がある。厳しい目で見られがちなのが多選だ。
大和郡山市の上田清市長が7選出馬を表明しているほか、初出馬時に多選禁止を公約に掲げた奈良市の仲川元庸市長は7月に4期目の任期が満了、進退の明言はないものの、5選出馬がささやかれている。
選挙で多選が争点となるのは、大きな権限を持つ首長が変わらないことで、役所組織の停滞などさまざまな弊害が生じる可能性があるからだ。
4期目以上を多選とみる傾向が強いが、大切なのは中身だろう。器の中で自分や周囲がのびていないか、自身を厳しく見る目が必要だ。有権者はまずい食事をしなくて済むよう、身近な政治に関心を持ち続けたい。(増)