筆者の知人は他府県から車で県内に戻るとき、県境を越えたらすぐに分かるという。理由は県内に入ると道路がでこぼこになり、車の振動が激しくなるから。

　国土交通省の道路統計年報によると、道路の改良率と混雑度を総合評価する「道路整備率」で県は全国最悪レベル。知人の言葉が正しいかどうかはさておき、県内の道路が他と比べて快適とは言い難い。

　県は県内道路の改善を目指し、本年度から5カ年かけて集中的に県管理道路の修繕を行う「ならの道リフレッシュプロジェクト」を実施。来年度からは修繕対象の道路を拡大して取り組む。

　さらに、地元要望の道路改良のうち一定条件を満たした小規模なものは、県土木事務所の裁量で実施できる制度も新設。手続きを簡略化することで迅速に対応する。

　本年度の県民アンケート調査で「県が道路の新設や維持修繕にもっと力を入れていくべきか」との設問に89.3%が「そう思う」と回答。県民の道路改善の願いは切実だ。

　幹線道路の整備とともに身近な生活道路の改善も大切。市町村への支援拡充にも取り組んでほしい。(法)