先の兵庫県知事選で噴出しているさまざま…
先の兵庫県知事選で噴出しているさまざまな問題は、地方紙に携わる一人としても深く考えさせられる。何が問題か、まずはそこからだ。
最も重要なのは知事のパワハラ疑惑や公益通報だと思う。告発した元県幹部(死亡)に対し、斎藤元彦知事ら県側は、告発文は「怪文書」だとし、懲戒処分にした。
この対応の仕方は「権力」の行使ではないか。つまり権力の行使=パワハラであり、告発者の特定や処分したこと自体がパワハラではないか。
職場におけるパワハラの一般的な定義は(1)優越的な関係を背景とした言動(2)業務上必要かつ相当な範囲を超えたもの(3)(2)による労働者の就業環境の阻害―とされる。
「優越的な関係」とは上下関係であり、権力関係だ。県の最高権力者はもちろん斎藤知事。その知事が先頭に立って処分まで突っ走るというのは、ちょっと違うのではないかと思う。
知事らはもっと慎重に、もっと丁寧に調査すべきではなかったか。進められている県議会の百条委員会などの動きを注視。基本は事実関係だ。他山の石かどうかは別として、間違いなく参考になる。(北)