台風10号は8月29日、鹿児島県薩摩川…
台風10号は8月29日、鹿児島県薩摩川内市付近に上陸後、九州・四国から東海道沖へ。時速10キロ程度というノロノロ運転のうえ、不思議な動きを続けた。「迷走」は従来、日本の南の海上ではよくあったが、列島上陸後というのは、珍しいケースだったようだ。
ある日の予想では「和歌山県の御坊周辺から北上し、奈良県西部を抜けて琵琶湖あたりで熱帯低気圧に…」というのが出ていて、一瞬、身構えた。
北海道ではJR石勝線の線路に土砂が流入、「遠隔豪雨」という言葉も報道された。東海など各地で、台風から離れた場所での「線状降水帯」の発生が繰り返された。
従来頼りにしていた「進路予想」だけでは、対応できなくなってしまった。偏西風が大陸の北の方にあり、風に乗れなかったことが停滞の大きな要因になったらしい。地球温暖化による海水温の上昇が顕著になっている。
新幹線が4日間も“寸断”されたのも初めてのこと。東京から名古屋・大阪へ行くのに、北陸新幹線+在来線という「う回ルート」も話題に。
9月は「台風シーズン」、油断なく過ごしたい。 (恵)