梅雨入りが頭に浮かぶ時期になった。近畿…
梅雨入りが頭に浮かぶ時期になった。近畿は例年より少し遅くなりそうだが、雨がちな日々の過ごし方を今から考えておくのもいい。
週末の8、9両日には奈良市の県立図書情報館で、県内外の本屋や出版社など数十店・社が集う催し「ブックマーケット」が開かれる。梅雨時に読書を楽しみたい人には好機になりそうだ。
総合書店の減少が続く一方、特定の分野を深堀りしたり、店主の選書眼がうかがえたりする個性派小店舗を県内でも見かけるようになった。催しにはそうした店も登場する。
県とも縁のある直木賞作家の今村翔吾さんは今春、東京・神保町に本を売りたい個人、事業者らに書棚を貸し出すシェア型書店を開いた。本屋減少に歯止めをとの思いにつながればと願う。
よく言われる通り、書店には末永い友になる書籍との偶然の出合いが期待できる。本が集まる場所では同様に、その可能性が広がる。
個人的には読書好きなのだが、何か運動をしないと休日の充実感を抱けない性分でもある。今年の梅雨は、そんな強迫観念から逃れるすべが知れる書物にも触れてみたい。(智)