お盆休みの時期になった。止まぬ酷暑を避…
お盆休みの時期になった。止まぬ酷暑を避け、冷房の効いた屋内で読書を楽しむ人もいることだろう。
県内の書店をぶらぶらしていて、2冊の宇宙関連本に巡り合った。ここ1カ月半ほどの間に出版されたものだ。
一つはビル・シュワルツ著、岡本由香子訳「ビジュアルNASA図鑑」(日経ナショナルジオグラフィック)。創設65周年の米航空宇宙局を中心とした米宇宙開発の歩みを歴史的な写真、図版資料を交えてたどる。
新開拓地へ挑んだこれまでとこれからが、小難しいデータ抜きで肩ひじ張らずに語られる。ケネディ元大統領や折々の関係者の言葉も夢あふれ、示唆に富み、くつろぐ夏のひとときにふさわしい。
もう一冊は、KPMGコンサルティング監修「宇宙ビジネス最前線」(日本経済新聞出版)。民間の本格参入で拡大する宇宙関連ビジネスの最先端が平易に解説され、平和目的で活用できる産業分野の広がりが分かる。未来に一般化する仕事の夢想にも役立つ。
宇宙の平均温度はマイナス270度ほどとされる。読書を通して冷たい世界をそぞろ歩くのも浮き浮きする。(智)