今週は本格的降雪に遭遇し、ノーマルタイヤでの運転は緊張した。自動運転の技術は進展しているが、雪道に対しては相変わらず。手間いらずの画期的装備はなかなか現れない。

　視覚障害者を音声や振動で道案内するAI(人工知能)搭載のスーツケース型ロボットが発表された。カメラやレーザーで障害物を検知し、安全なルートを判別する。

　将来的に白杖(はくじょう)や盲導犬の代わりになることを目指しているという。スーツケース型以外にも小型で利便性の高いモデルの登場に期待する。

　県内では昨年、白杖を使用していた女性が踏切で電車に接触して死亡する事故が起こった。同様の事故撲滅でも科学の力を生かすため、利器が広く普及する措置を公的レベルで検討してほしい。

　ロボットがなくても周囲がサポートすればとの意見もあろうが、誰もがためらいなく声を掛けられるとは言い切れない。思っていても言い出せない部分を補ってくれる存在もあっていい。

　科学の知識が人々の平和な暮らしの助けに利用されるとほっとする。本来はそういう学問なのだろうから。(智)