食と観光を組み合わせる「ガストロノミー…
食と観光を組み合わせる「ガストロノミーツーリズム(ガストロ)」の世界フォーラムが、師走の奈良で開かれた。国際会議での論議と認識が、県経済に好影響をもたらすことを願う。
フォーラムの事前企画で、フードコラムニストの門上武司さんに話を聞いた。ガストロの成功には、観光の起点になる宿泊機能付きレストラン「オーベルジュ」が増えることが重要との指摘があった。
フォーラムで荒井正吾知事は、県内オーベルジュを巡るツアー企画の構想を明かした。オーベルジュは県観光の新たなアイコンとなれるか。
県は近年、この分野に注力する。今年に入り、地元ならではの食材が味わえる県内オーベルジュの魅力をPRするポータルサイトを開設。選定12施設を紹介する小冊子の新版も発行した。
選定施設は今後増えそうで、ガストロ定着に期待が高まる。そうなれば県内の農をはじめ、日陰に甘んじていた伝統、産業などが再認識されることもあろう。
「地元民の地元知らず」とは、よく耳にする警句。オーベルジュがその補完役となるなら、来年の展望にも少し光が差す(智)