大和一国の一年を締めくくる祭りとして親…
大和一国の一年を締めくくる祭りとして親しまれてきた「おん祭」も、3年ぶりとなるお渡り行事が予定され、クライマックスを迎える。
やはり年の暮れはこうでなくてはなるまい。平安末期の保延年間に、時の関白・藤原忠通によって始められ、途切れることなく続けられ今年で887回目となる。
昨年は、新型コロナウィルスの影響で、御湯立神事などが縮小されてきたが、ようやく本来の形で執り行われている。久しぶりのお渡りも、天気が心配ではある。
国の重要無形民俗文化財にも指定されており、奈良市民にとっては、生活に密着したものだったが、近年はその意識も薄れてきているようにも思う。
お渡り行事を見学するために、小学校など午後は休みになって親子で駆け付けた。沿道の屋台もにぎわい、子供時代の記憶に残る思い出となったものだ。
最近はそうでもないというが、伝統文化を伝えていくことの大切さを教えてほしい。戦乱や飢きん、疫病などいろいろあったはずだが、800年以上も続けられてきたことに、驚きと敬意を表したい。(治)