国連教育科学文化機関(ユネスコ)の評価…
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国連教育科学文化機関(ユネスコ)の評価機関が、民俗芸能「風流踊(ふりゅうおどり)」を無形文化遺産に登録するよう勧告した。十津川村の「十津川の大踊」など、24都府県41件の伝統行事が対象となる。
ユネスコは近年、無形文化遺産の急増で毎年の審査件数を抑制。その対策で各地の行事をグループ化し一括申請したことが功を奏したとされる。
各地の行事は華やかな衣装で太鼓や笛、歌に合わせて踊ることなどが共通の特徴だ。同時に、それぞれの歴史や風土に合わせた祈り込める多様性も合わせ持つ。
それぞれが抱える問題や悩みにも共通性がある。風流踊に限ったことではないが、最大の課題は過疎・少子高齢化に伴う後継者不足だ。
さらに近年は新型コロナウイルス感染防止で、中止や縮小に追い込まれる伝統行事も多い。そのために作法などの伝承に空白が生じる可能性があり、今後、保存への大きな問題になるだろう。
伝統行事の保存や伝承には、担い手たちの意欲の維持や動機付けが最も大切だといえる。無形文化遺産登録が、そのために役立つことを願いたい。(法)