その業界を牽引してきた人物の訃報は、自…
その業界を牽引してきた人物の訃報は、自分の個人的な思い出と結びつけて感慨にふける―年のせいか、最近そういったことが多くなった。
昭和の時代、プロレスラーといえば、「ジャイアント馬場とアントニオ猪木」だった。熱烈なファンでもなかったが、テレビでも見る機会が多かったので、試合の映像が記憶に残っている。
その猪木さんが、心臓の難病との闘いの末、79歳の激動の人生を終えた。多くの後輩を育て、「異種格闘技」の基礎を築き、参院議員として国際的にも活躍。晩年、闘病生活を動画で公開、ファンに最後まで「燃える闘魂」の存在を示した。
一方、テレビの演芸長寿番組「笑点」の大喜利メンバーで活躍した落語家・三遊亭円楽さんが72歳で逝った。こちらも肺がん、脳腫瘍、脳梗塞など壮絶な闘病生活4年の末のお別れになった。
笑点では時事問題に強く、政治風刺を込めた受け答えが心地よかった。「腹黒」キャラクターを引き受けて番組を盛り上げ、“博多寄席”で落語会の隆盛を図った。
業界は違えど、ファンに元気や笑顔を届け続けた人生だった。(恵)