楽器は何一つできないけれど、「聴くだけ」のクラシック音楽ファンである。中学3年ごろからだから、約半世紀と今や超ベテランの部類に入るだろう。

　愛読の音楽専門月刊誌に初めて読者投稿し、どれくらいの競争率を突破したのかは分からないが採用された。専門外のまったく趣味の分野だけに素直にうれしい。

　本紙の投稿欄「みんなの広場」に掲載された読者も似たような喜びを味わっているのではないか。新聞や雑誌などへの投稿を生きがいにしている人がいる。

　文章を書くのは、読書以上にエネルギーを消費する。投稿は「頭の体操」になるのでは。かつて投稿欄を担当して、かなりの高齢者の達筆で見事な文章に感心した経験が何回もある。

　活字文化は衰退一途と言われているが、インターネットが普及した結果、一般の人が文章を書いて発表する機会は、逆に増えているのではないだろうか。

　と、「投稿のすすめ」を書いてきて、大きな問題に気付いた。最近、ネット上で他人をひぼうする投稿がはん濫している。注意しなければ文章は、人を傷つける刃となってしまう。　(栄)