大和郡山市が市ゆかりの収集家の文人にち…
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大和郡山市が市ゆかりの収集家の文人にちなみ、資料の収集と博識で社会に貢献した人を表彰する水木十五堂賞の授賞式が行われた。10回目の今年は、生活史から昭和の時代を読み解く小泉和子さん(88)が受賞した。
選考委員の座談会もあり、昭和期への思いが話された。その中で、当時一般住宅でもよく見られた床の間が消えたことで関係する掛け軸や置物の文化、しつらえへの心も失われたと語られた。
時代や意識の変化などで姿を消し、他に代わられるものがある。その際、本体と密接に関係する部分を見逃すことが少なくない。
さまざまな分野の技術もその一つだろう。新旧を問わず、携わる人々の技と思いは、いったん途切れると容易に回復できない。
エンジンからモーター中心となる自動車をはじめ、令和でも多方面で急速に変化が進む。本体周辺への影響にも目配りしていたいと思う。
自身、昭和で思い出すのは自宅前の通りの長いすだ。ご近所の自作で、数年間人々が夜ごと周囲に集まり談笑していた。老朽化でいすが消えたとき、人の姿もしだいに見られなくなった。(智)