北新地といえば大阪一の繁華街だ。そこで年の暮れだというのに、何とも痛ましい事件が起きた。雑居ビル火災で24人もの犠牲者が出た。

　もしかして奈良の人もと思っていたら、やはり犠牲になっていた。入り口で放火されたら、奥に進むしかなく、逃げようにも逃げることができない。

　全国に3万棟以上もあるという雑居ビルの総点検をするというが、いつのことやら分からない。日々の生活のなかで、訪問先の非常階段を2カ所確認することからせねばならない。

　コロナもそうだが、今や自分の身の安全は自分でしなければならない時代なのか。気になるのは、容疑者がなぜこのようなことをしたのか、その動機だ。

　連日のコロナ、コロナで閉じ込められた生活が続き、誰もが神経をすり減らしてきた。そんな環境のせいにしたくなるが、多くが耐えてきたのも事実だ。

　人と人との触れ合いの時間がなくなったことが大きい。家族同士の語らいから、学校や会社などの集団、そして地域の触れ合いの大切さを思い知る。顔を見ながら会話して、早く心を通わせる日がくることを願う。(治)