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奈良県民俗資料収集・保存方針検討委、収蔵庫を視察 「非常に重厚で貴重な資料」と評価 情報の整理に課題も

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本館収蔵庫を視察する検討委員会の委員ら=29日、大和郡山市矢田町の県立民俗博物館(代表撮影)

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 有識者でつくる「奈良県民俗資料収集・保存方針等検討委員会」は29日、大和郡山市の県立民俗博物館の本館収蔵庫や、館外収蔵庫として利用している旧郡山土木事務所を視察した。

 

 委員5人はまず旧郡山土木事務所で、民具や生活用品などを収蔵した部屋を見て回った。続いて博物館では収蔵・保管の状況を確認した。

 

 両施設で博物館の高橋史弥学芸員は、博物館収蔵庫と旧郡山土木事務所に収まり切らない資料の整理を奈良大学と協力して進めていることを説明。全4万5千点のうち、館外収蔵庫の旧高田東高校と合わせて7331点の整理を終えているとした。

 

 視察後、委員長の日高真吾・国立民族学博物館教授(保存科学)は「奈良県下から非常に重厚で貴重な資料が集められていることが改めて分かった」と感想。「数え方にもよるが4万5千点より多い印象はある」とも述べた。

 

 一方で、資料がどういったものでどこで収集されたのかという情報が「きちんと整理できていないものもたくさんあった」とし、「どうシステマチックに整理していくのかが大きな課題。どのようにアドバイスできるか、制度設計できるかを考えたい」と語った。

 

 検討委は視察後、同館で第2回会合を非公開で開いた。県は博物館の民俗資料の収集・保存について、県の農業生産用具や山樵(さんしょう)用具などのコレクション資料と、染織用具など今後コレクション化が可能な資料を最重要と位置付け、著しい損傷などがある資料は除籍(廃棄)候補とする方針案を提示した。次回以降議論される見通し。

 

 検討委は民俗資料の収集・保存方針やデジタルを活用した保存基準、除籍の手順規定について議論。県は2025年度中の方針・基準などの策定を目指している。

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