世界最大級「ゴング」、奈良県葛城市の当麻寺に 直径2メートル超、重さ120キロ 保管場所に困っていた奏者から預かり安置
日本初渡来の世界最大級のゴング(ドラ)が8月26日、奈良県葛城市当麻の当麻寺奥院本堂に安置され、奉納演奏が行われた。
安置されたゴングは、長野市のゴング奏者、水谷翔さん(37)がスイスのメーカーに発注した直径2メートル超、重さ120キロの巨大サイズ。保管場所に困っていた水谷さんと縁があった同寺の本堂にしばらく安置されることになった。
ゴングは古来からアジアに伝わる本体の振動で音を発する金属製円盤の体鳴(たいめい)楽器。世界で最も古い楽器の一つとされる。ゴムボールで触れたり、バチで打ったりして音を出す。近年は音がもたらす癒し効果などの科学的解明が進んでいるという。水谷さんは2年前から県内でも演奏会を開き、ゴングの音色を広めている。
この日は海外から納品されたままの状態で寺に運び込まれ、10人がかりで持ち上げて慎重に本堂へ安置された。
その後、水谷さんはリハーサル無しで初の演奏を即興で披露。ゴングの清らかな音に合わせて川中教正副住職らが読経し、葛城市の塚田見紀さん(53)が舞を舞った。
演奏を終えた水谷さんは「保管場所が見つからなかったところ、ご縁をいただけて本当にありがたい。演奏しながら伸びやかな音に感動した。平和や供養の思いを込めた」と感謝。
川中副住職は「ちょうど入りそうな大きさだったので何かのご縁だと思い、お預かりすることになった。仏教と音楽は深いつながりがある。声の高さに合う響きでした」と話した。保管中は拝観者に公開される予定。