何かの拍子に、ふと思い出すフォークソン…
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何かの拍子に、ふと思い出すフォークソングがある。『フランシーヌの場合』という反戦歌で、55年以上も前の高校生だった頃に初めて聴いた。
歌が生まれた背景にはある事実があった。1969年3月30日の日曜日の朝、30歳の女性がフランンス・パリの路上で焼身自殺したのだ。
女性は当時のベトナム戦争や多くの餓死者が出たナイジェリア内戦に心を痛めていたという。ナイジェリア内戦では、大国が思惑に基づいて政府側と独立運動側をそれぞれに支援していた。
日本人の作詞・作曲による歌は同年6月15日に発売された。「ホントのことを言ったら/オリコウになれない/ホントのことを言ったら/あまりにも悲しい」。
世界の各地で戦争があり、国内ではこの年の1月に「東京大学・安田講堂攻防戦」があった。各大学で全共闘運動があり、新左翼の政治運動があった。
昔の記憶をたどりながら、いま自分は何をしているのだろうと思う。「ひとりぽっちの世界に/残された言葉が/ひとりぼっちの世界に/いつまでもささやく」。きょう3月30日は日曜日だと気づいた。 (北)