1勝5部4敗で暫定15位に - 奈良クラブ
奈良クラブは第9節でいわてグルージャ盛岡に1―2で敗れ、第10節では松本山雅FCに2点先行しながら追い付かれ2―2で引き分けた。一つの節目となる10戦を終えた時点で1勝5分4敗の勝ち点8。暫定順位は20チーム中15位となっている。現在、暫定1位は大宮アルディージャで、9試合を終え6勝3分0敗で勝ち点21。2位はアスルクラロ沼津で、10試合を終え6勝2分2敗の勝ち点20。次いでFC今治が沼津と勝敗数で並び得失点差で3位。今季のJ2昇格は3枠で、上位2チームが自動昇格、3~6位チームがプレーオフで最後の1枠を争う。
奈良クラブのここまでの戦いを観ていて、勝てそうな試合をものにし切れないもどかしさを感じる。10試合中、得点できなかったのは第4節の大宮アルディージャ戦のみで、先制した試合も多い。昨季序盤に言われたような得点力不足は払しょくされ、高いボールポゼッションと多彩な攻撃パターンで攻めるスタイルが定着した感がある。しかしアディショナルタイム中の失点など、終盤に追い付かれ、勝ち点を失った試合も少なくない。フリアン監督はじめ選手たちも、そこに危機感を抱いている。
第9節は10日、いわてグルージャ盛岡に競り負けた。前半は互いに決定機を作りながらも両GKがファインセーブを見せ無得点。後半11分に先制点を奪われたが、25分に堀内がふわりとゴール前に上げたボールに百田が合わせヘディングシュートで試合を振り出しに戻した。しかし後半35分に再びゴールを奪われた。
第10節は中2日空けた13日、松本山雅FCと手痛い引分け。前半4分、右サイドから生駒、国武、嫁阪とつないで西田が右足で決め先制。西田はこれが今季初ゴールとなった。1―0で前半を折り返し、後半も開始早々の1分に生駒のマイナスクロスから百田と岡田優の連携で追加点を挙げ突き放す。しかし後半31分にペナルティーエリア外から決められ、さらに34分にはコーナーキックからのセットプレーで失点し同点とされた。
その後も後半49分には岡田優がエリア内からシュートを放つもゴール上に逸れるなど、攻め合いつつも得点には至らず、互いに勝利を渇望しながらも勝ち点1を分け合う結果となった。
フリアン監督は「2―0と先行しながらも最終的に引き分けてしまったことには改善策があるし、自分たち自身で要求しなくてはならない、向かっていかなくてはならない。1失点目に関しては、松本山雅には質の高い選手が多くスーパーゴールは起こり得ることで、認めざるを得ない。ただ2失点目は容認できない。同じような形での失点に監督として責任を感じている。セットプレーを強化することはこのカテゴリーで戦うには不可欠。引き続きリーグで戦っていくためには解決策を出さなくてはいけない」とコメント。2点目のゴールを挙げた岡田優は「最後に自分が決めていれば」と後半49分のシュートを振り返り悔しさをにじませつつ、「あくまで自分の見解だが、(勝ち切れないことについては)練習ではなく試合で培っていく経験値が不足しているのではないかと思う。そこは練習でクオリティーを上げることとは別のことなので、自分を含め経験を持つ選手が、ゲーム勘のようなものをもっと試合の中で伝えていければ」と話した。
次節(第11節)は27日、横浜市のニッパツ三ツ沢球技場でYSCC横浜と対戦。24日にはYBCルヴァンカップ1stラウンドの2回戦として、奈良クラブはホームのロートフィールド奈良にJ1のサンフレッチェ広島を迎え対戦する。(岩本)