鬼と炎、迫力の競演 奈良県桜井市の長谷寺「だだおし」練り歩き
奈良県桜井市初瀬の長谷寺(浅井侃雄化主)で14日、大和路に春を呼ぶ伝統行事「だだおし」が営まれ、約千人の参拝者が鬼と大たいまつの迫力に見入った。
人々が犯した罪を本尊・十一面観音菩薩に懺悔(さんげ)し、1年の幸福を祈る修二会(しゅにえ)の締めくくりの儀式。
太鼓やほら貝の音が鳴り響くと、本堂内に赤、青、緑の3匹の鬼が登場。牛玉札(ごおうふだ)を手にした僧侶らによって堂外へ追い出された鬼は、燃え盛る大たいまつと共に本堂の周りを練り歩いた。
鬼たちはたいまつの火の粉をまき散らして暴れると退散。参拝者は勇壮な火祭りの様子をカメラに収めるなどしていた。
ほぼ毎年訪れているという、宇陀市の福角やすえさん(57)は「いつもより鬼の動きが控えめなように感じたが、間近だと迫力がある。世界的にいい年になることを願う」と話した。