【動画あり】奈良「鹿苑」鹿たちの冥福祈る 野菜など供え慰霊詞奏上
奈良市春日野町の鹿保護施設「鹿苑(ろくえん)」で20日、交通事故や病気で亡くなった鹿を慰霊する「鹿まつり」が営まれ、関係者や市民ら約50人が参列した。鹿の保護団体「奈良の鹿愛護会」(大川靖則会長)が戦時中から毎年、この日に実施している。
苑内にある鹿の遺骨を納めた鹿塚に向けて設置した祭壇に鹿せんべいや野菜、果物などを供え、春日大社の神職2人が慰霊詞を奏上。鹿たちの冥福を祈った。
同会によると、奈良公園一帯には今年7月現在、約1233頭の鹿が生息し、1年間に295頭が死亡。うち公園内が144頭、公園外が70頭、特別柵内が81頭だった。原因としては「疾病」が117頭と最も多く、交通事故で亡くなった鹿は73頭だった。
大川会長は「交通事故で亡くなるシカも増えている。ドライバーの皆さまには注意しながら走行してほしい。皆さんに協力いただき、神鹿にはのびのび過ごしてもらいたい」と呼びかけた。
また、鹿の「虐待」問題については、「大きく報道されているが、鹿苑の職員が、自主的に朝早くから出勤して掃除や餌やりをしていることだけは知っていただきたい。暑い日も雨の日も決して手抜きはしていない」と強調した。