万葉集の歌を解説 天理大学講師の大谷さん 宇陀で公開講座
天理大学・宇陀市共催の公開講座「『大和学』への招待」(奈良新聞社後援)の第2回「宇陀歴史再発見」が7日、奈良県宇陀市大宇陀拾生の宇陀市文化会館で開かれ、62人が参加した。天理大学国文学国語学科講師の大谷歩さんが「宇陀の万葉歌」について講義し、万葉集で柿本人麻呂が詠んだ著名な「阿騎野の遊猟歌」などを紹介。大谷さんは「軽皇子(後の文武天皇)が阿騎野で狩りをした時の歌で、王が行う狩りの意味が込められている」と解説した。
さらに「『宇陀の大野』(阿騎野)が朝廷の狩場であったことは、『阿騎野の遊猟歌』の一首をモチーフに制作された洋画家、中山正実画伯(1898―1979)の壁画『阿騎野の朝』からも知ることができる。万葉歌を読み解けば、(飛鳥・奈良時代の人が)歌から土地に抱いていたイメージや、豊かな発想に出合う事ができる」と話し、参加者は熱心に耳を傾けた。
次回の公開講座は28日と11月11日に橿原市役所分庁舎のミグランスで「『ウエルネスライフのすすめ』〜穏やかに暮らすためのがん予防〜」を開く。午後1時30分から先着順に受け付ける。