戦争体験に耳を傾けて 葛城で8月5日に4年ぶり「聞く会」 元日本軍兵士の手記紹介

奈良県葛城市竹内の当麻文化会館で5日、「戦争体験を聞く会」(同実行委員会=岩下美佐子代表=主催)が開かれる。コロナ禍で4年ぶりの開催。日中戦争下で従軍した日本軍兵士の手記を、岡崎邦夫さん(82)=橿原市=が紹介する。参加無料。
岡崎さんの義父で元教員の藤井常一さん(2004年、94歳で死去)は、日中戦争と太平洋戦争で計3度召集。生前に戦争体験を語ることはなかったが、14年、遺品の中から日中戦争での体験を記した「従軍手帖」が発見された。
手帖は1938年7月から翌年8月まで記され、戦闘、恐怖、家族への思いなどがつづられている。死を覚悟しながら自身の体験を家族に書き残した義父の思いを継ぎ、日本軍の実態を広く知ってもらおうと、岡崎さんは手記をパソコンで活字に打ち込み、22年7月に冊子を出版した。
講演は午後2時から、手記の内容をスライドショーで紹介。また戦中の雑誌や勲章、日章旗などの寄贈された遺品、岡崎さんが県内の戦争遺構を訪ねた写真パネルも展示する。
問い合わせは岩下代表、電話080(6170)5490。