「サヌカイトってなんだろう~」 奈良県香芝市の二上山博物館でスポット展

二上山(奈良県、大阪府)で産出する岩石、サヌカイトの成り立ちや特徴、石器としての利用方法を解説するスポット展「サヌカイトってなんだろう~」が、奈良県香芝市藤山1丁目の市二上山博物館で開かれている。19日まで。
二上山のサヌカイトは千数百万年前の火山活動で噴き出たマグマが急に冷えて固まった岩石。打ち欠くと縁に鋭利な刃ができ、旧石器時代から石器として利用、近畿一円に運ばれた。香芝市内では石器製作遺跡が多く見つかり、スポット展では出土遺物約20点を出陳する。
旧石器時代には「瀬戸内技法」という製作技術で「国府(こう)型」と呼ばれるナイフ形石器が作られた。会場には鶴峯荘第1地点遺跡出土のナイフ形石器(県指定文化財)などの石器製作資料が並べられ、石器が完成するまでの特徴的な製作工程を説明する。
ヤリ先に使われた縄文時代の「有舌尖頭器(ゆうぜつせんとうき)」や弥生時代の「石槍(せきそう)」など、各時代の石器の種類も解説。サヌカイトの原石も展示し、産出地点や原石の色と形で大きく2種類あることも紹介する。
乾将太朗学芸員は「二上山産のサヌカイトにも違いがあり、石器も特殊な技法で作られたことを知ってもらえれば」と話す。
午前9時から午後5時開館。月曜休館。観覧料は大人200円、高校・大学生150人、小中学生100円。
問い合わせは二上山博物館、電話0745(77)1700。