鼓阪小存続求めて署名提出 「守る会」1カ月で2822筆集める

奈良市立学校の再編計画に伴い、統廃合に揺れる市立鼓阪小学校(同市雑司町)の存続を求め、地元住民らでつくる「鼓阪を守る会」(河合淳子代表)は20日、存続への要望書とともに計画凍結を求める署名2822筆を市と市教育委員会に提出した。
守る会のメンバーは同日、保護者を含む会員13人が市役所を訪れ、竹平理恵教育部長、吉村啓信総務部長らと面談。その後、市役所内で記者会見し、河合代表らは「今回の署名は昨年12月からわずか1カ月余りの間に地元や市内、県外からも含めこれだけのものが集まった。その熱い思いも受け止め、市への要望を続けたい」などと語り、仲川元庸市長との直接面談を望む意向も示した。
鼓阪小は東大寺の旧境内にあり、近くには大仏殿や転害門、正倉院正倉をはじめ国宝建物が点在。1874(明治7)年に設立、78年に現在地に移転した。来年度創立150周年を迎える。
地域の児童数が減少する中、市の資料では本年度の児童数は各学年とも20人以下。適正規模校のクラス数を下回る「過小規模校」であることから、市は隣接する佐保小との統合再編を進めている。
同地区は開発調整区域で歴史的風土保存地区の第4種の網を被る。春日山風致地区で勾配屋根が必要となるなど跡地利用は厳しい制限も掛かる中、市は閉校後の活用策も示していない。
河合代表らは「世界遺産のことを世界遺産の中で学べる唯一の小学校。統廃合ありきでなく、市は存続のため校区の見直しや特認制度の導入など、存続に向け可能な限り知恵を絞って欲しい」と訴えている。