田原本町交通サービス、自動運転車の導入検討 奈良県との協議会初会合
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奈良県と田原本町が設置する同町デジタル交通サービス導入推進協議会の第1回会合が17日、同町阪手の田原本青垣生涯学習センターで開かれた。同町は、地域の主要施設である同センターや道の駅レスティ唐古・鍵と、中心地の近鉄田原本駅とをつなぐ公共交通の不足を課題に挙げており、自動運転車による交通サービス導入を模索。協議会で実証実験に向けた計画の策定、検討を進める。
協議会は、県と田原本町の代表、学識経験者、公共交通事業者、地元関係者らが委員を務めるほか、オブザーバーとして国土交通省奈良運輸支局、県警担当者らも参加。互選で会長に喜多秀行神戸大学名誉教授を選任した。
議事では事務局の田原本町が、駅と主要施設間の移動について、バス路線が廃止され来訪者向けの交通手段がタクシー以外になくなった現状を報告。人件費の抑制も踏まえ、デジタル技術を活用した自動運転車による交通サービスの導入を検討していると説明した。
その上で、自動運転の実証実験案として、近鉄田原本駅と田原本青垣生涯学習センター、道の駅レスティ唐古・鍵を結ぶ計4ルートを提案。具体的な課題などについて委員、オブザーバーの意見を求めた。
協議では自動運転車の技術的課題、狭い箇所が多いルートの問題点などが指摘されたが、一方では「条件の良いルートで実験しても実用性がない。多くの制約がある中で実験してこそ意義がある」とする意見も示された。
事務局は書面会議も含めて本年度中に再度、協議会を開きたいとしており、来年度以降、実証実験の実施計画策定に向けた検討を進める。