高松塚壁画発見50年記念御朱印
高松塚古墳(明日香村平田)の国宝・極彩色壁画の発見から50周年を記念した切り絵御朱印が15日から、村内で数量限定で販売される。古墳近くの仮設修理施設で壁画の一般公開が始まるのに合わせ、村が600枚制作した。1枚2000円(税込み)。
切り絵御朱印は、縦約15センチ、横約20センチ。壁画の中でも飛鳥美人で知られる「西壁女子群像」と、その後ろに棺を飾った「金銅製透飾金具」を光背(こうはい)のように配置。御朱印を囲むように絡まる葡萄(ぶどう)のつるは、出土品「海獣葡萄鏡」の文様の一部。御朱印のそばに、江戸時代の絵図に描かれた松が生えた古墳を刻んだ。ベージュ系の「シャンパンゴールド」と煌びやかな「スーパーゴールド」の2種類がある。
緻密で大胆なデザインは、京都府在住の切り絵作家、望月めぐみさんが担当。望月さんは芸術家が村に滞在し、作品を制作する村の事業「飛鳥アートヴィレッジ」に参加し、2017年に飛鳥大仏の失われた光背や脇侍(わきじ)を切り絵で再現した村ゆかりの作家。「高松塚古墳の歴史とその周辺で生きた人々へ思いを馳せてもらえたら」とコメントを寄せた。
村は15日から、牽牛子塚(けんごしづか)古墳の一般公開を記念した切り絵御朱印(税込み・2000円)も80枚限定で再販売する。3月6日に一日限定で販売し、180枚が完売する好評だった。
村観光農林推進課の花谷美咲主事は「50周年の節目に、もう一度高松塚を知るきっかけにしてもらいたい」と話している。
切り絵御朱印はいずれも村観光案内所「飛鳥びとの館」(同村越)、「国営飛鳥歴史公園館」(同村平田)で販売。売上の一部は、文化財の保存や活用に役立てる。