3年ぶり鹿の角きり 勢子の勇姿に喝采

奈良市春日野町、春日大社境内の鹿苑角きり場で8日、鹿の角きりが始まった。行事は1日4回実施、10日まで3日間行われる。
江戸時代初期から300年以上も続く古都の秋を彩る伝統行事。コロナ禍の影響で中止されていたが、3年ぶりに復活した。
春日大社の神官による安全祈願の後、角きり場に長さ50センチ近い立派な角を持つ雄鹿3頭が放たれ、法被姿の約20人の勢子(せこ)が捕獲、神官がのこぎりで角を切り落とし神前に供えた。
観客席からは鹿を追う勢子の勇姿に盛大な拍手が巻き起こった。
千葉県から親子で観光に来た桑田美穂子さんと小学2年生の大成くんは「鹿の勢いが想像以上に迫力があってびっくりした」と話していた。奈良の鹿愛護会の大川靖則会長は「多くの皆様からの励ましの言葉で、3年ぶりに開催ができ感謝したい」と語った。