伝統の「大和絣」復活 斑鳩の染織作家・亀山さん
奈良県御所市が発祥といわれ、昭和40年代ごろに途絶えた奈良の伝統的な織物「大和絣(がすり)」を、斑鳩町龍田南3丁目の染織作家、亀山知彦さん(39)が復活させた。
大和絣は、江戸時代の宝暦年間(1751~64)に御所市の浅田松堂によって始められたといわれ、江戸末期から明治にピークを迎えた木綿絣。群馬県の中野絣とともに木綿白絣の日本2大産地とされたが、その後衰退した。
亀山さんは専門学校卒業後、四国の野村シルク博物館や京都の染色作家のもとで修業し、2年前に独立。大和絣は最初、作り方もわからず、県立民俗博物館の学芸員にアドバイスをもらいながら手探り状態で始めた。これまでに30本ほど制作し、伝統的なデザインのものや独自のデザインのものなどを作り分けることができるようになった。公募展で入賞することもあり、新たな大和絣として期待される。
亀山さんは「反物として復元できたので、これを使って何か作れる人と組んでみたい」と話している。問い合わせは、亀山さん、電話0745(74)4789。