親子で一緒に夏休みの本読みに - 絵本「大仏くらべ」

奈良に住んでいる男と鎌倉から奈良を訪れた旅人が、「奈良の大仏」と「鎌倉の大仏」を比べて大仏自慢をする創作狂言「大仏くらべ」の絵本があります。
東大寺の僧侶、筒井英賢さんが絵本化を提案し、2017年に東大寺の大仏奉賛会が発刊しました。文は鎌倉市在住の大江隆子さん、絵は奈良出身の松田大児さんです。
物語は、奈良に住んでいる男が鎌倉から東大寺を訪れた旅人を案内するところから始まります。南大門の前で出会い、仁王像、八角灯籠を経て大仏殿を案内。奈良の男が「奈良の大仏さまは日本一」と自慢すると、鎌倉の旅人も「鎌倉にも立派な大仏様がいる」とそれぞれの大仏様の自慢合戦が始まります。
最後には、お互いの大仏様を認め合い「大仏ぶつぶつ、大仏くらべ」と仲良く歌を歌って終わります。
絵本では、狂言で使われたせりふをそのまま使用しているので、普段耳にすることのない節回しがあるのも興味深いです。また、大仏様の本当の名前や手の形などを知ることもできます。
「いつも使っている言葉とは違う表現などもあるので、夏休みに親子で考えながらゆっくりと親子時間を楽しんでほしいです」と筒井さん。
夏休みの本読みの一冊として読んでみてはいかがでしょう。
絵本『大仏くらべ』
【価格】A4版1980円(税込)。
【販売場所】東大寺大仏殿、東大寺ミュージアムショップ、興福寺勧進所、高徳院、会津八一記念館、奈良蔦屋書店、紅屋書店、新風堂書店
【問い合わせ】大仏奉賛会(東大寺事務所内)0742・22・5511(平日9時~17時)