新しい酒文化創造へ 梅乃宿酒造本社・製造場が移転オープン
面積1.5倍に、直営店も併設
奈良県葛城市寺口に移転した梅乃宿酒造(吉田佳代代表)の本社・製造場が1日、オープンした。式典では吉田代表(42)が「蔵移転の構想から約10年。世代や国境を越えた新しい酒文化を創造する蔵として頑張っていく」と抱負を述べた。来賓の荒井正吾知事、阿古和彦同市長らの祝辞やテープカットもあり、出席者約120人で門出を祝った。
新しい本社・製造場の敷地面積は約1万5866平方メートルで、これまでの約1.5倍に拡大。日本酒蔵、梅酒蔵、瓶詰(びんづめ)蔵、本社棟があり、日本酒蔵では醸造工程を見学できるほか、畝傍山や三輪山を望む試飲スペース、オリジナルのノンアルコールドリンクや酒かすを使ったジェラートなどを販売する直営店も併設している。
同社の枡永剛製造部長(41)によると、日本酒は温度を制御できる金属製の4000リットルタンク36基で製造。通年で醸造できるため、これまでの約1.5倍、1升瓶で年間約30万本の生産体制が整った。9月ごろから仕込みを開始するという。
あす3日まで、オープニングイベントを開催。当日受け付け可能な蔵見学(1日5回、1人税込み800円、試飲・土産付き)や、キッチンカーの出店、スタンプラリーなどがある。同社は今後も蔵見学(予約制)や親子で楽しめるワークショップなどを企画する予定で、訪れる人が楽しめる酒蔵を目指していく。
同社は1893(明治26)年に同市東室で創業し、130年にわたり日本酒やリキュールなどを製造。耐震不足を伴う施設の老朽化や、点在していた酒蔵、瓶詰蔵、物流センターの集約化で作業効率を向上するため、新設移転を進めていた。
オープニングイベントなどの問い合わせは同社、電話0745(69)2121。