薬師寺「花会式」の造花づくり佳境 色鮮やか春の趣
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19日は「雨水」
19日は二十四節気の一つ、雨水(うすい)。雪が雨に変わり草木が芽生えるころ、といわれている。古くは農耕の準備を始める目安とされていた。とはいえ、この時期は三寒四温を繰り返し、本格的な春の訪れはまだ先になりそうだ。
そんな中、奈良市西ノ京町の薬師寺で3月25日から営まれる花会式(修二会)で本尊に供える造花づくりが佳境を迎えている。造花は代々、寺と関わりが深い同市内の増田家と橋本家の2軒が担い、平安時代から続く法要を支えている。
2月半ば、10種の造花のうち、モモ、サクラ、カキツバタ、ユリの4種類を手掛ける増田家は、一足早く春がやって来たような趣で、色鮮やかな造花が出番を待つ。増田茂世さん(59)は「国家の繁栄などを祈る法要で供える造花。心を込め、つくり続けたい」という。