【ことなら'24春】<なんと>大きな平城京周辺 ぶらり奈良の歴史散歩
N a r a 平 城 京 Emotional Nostalgia Street
発見に満ち溢れた 奈良へ、いざ。
奈良の観光と言えば、奈良公園エリアが思い浮かぶ。そこから平城宮跡へ向け西に足を延ばすと、昭和の趣を感じる船橋通り商店街、奈良時代初期の聖武天皇の后・光明皇后や平安時代初期の歌人・在原業平ゆかりの地として知られる佐保路など、魅力的なスポットがまだまだたくさんある。
今回は、「定番の寺院」から地元の人たちに馴染み深い「寄り道スポット」まで、1300年前の歴史と昭和レトロを感じる、発見に満ち溢れた奈良を案内したい。JR奈良駅をスタートし、近鉄大和西大寺駅までを巡る。
蓮寺として名高い西大寺、喜光寺、唐招提寺、薬師寺。この4つのお寺をつなぐ道は「ロータスロード」と呼ばれる。初夏から夏にかけて見頃を迎える蓮の花。可憐に咲く蓮と歴史を巡る奈良・西ノ京エリアのお寺も「定番の寺院」に加え、紹介したい。
協力/奈良県ビジターズビューロー
海龍王寺
奈良時代、光明皇后は父・藤原不比等の邸宅跡を皇后宮として暮らした。平城宮の鬼門(北東隅)を護り、初代住持で遣唐留学僧・玄昉が仏法をたずさえ無事に帰国することを願い、皇后が創建。隅寺と呼ばれ、平城宮内道場として、般若心経の写経が盛んに行われた。「令和の隅寺心境」として現在、弘法大師が書写した写経を体験することができる。
●住所/奈良市法華寺北町897
●TEL/0742-33-5765
●時間/9:00~16:30(特別公開時は9:00~17:00)
※8月12日~17日、12月24日~31日は行事のため閉門
●拝観料金/大人500円、中高生300円、小学生100円
法華寺
光明皇后の発願により、聖武天皇が創建した総国分寺の東大寺に対し、総国分尼寺として建立。父・藤原不比等の邸宅跡に建つ。平安遷都後、一時は衰退したが、豊臣秀頼、淀君によって、慶長6(1601)年に本堂・南門・鐘楼が再建された。本尊の秘仏・十一面観音菩薩像は皇后のお姿を写したと伝わる。
●住所/奈良市法華寺町882
●TEL/0742-33-2261
●時間/9:00~16:30
●拝観料金/大人700円、小・中学生350円、庭のみ華楽園300円
※詳細は法華寺公式HP参照
西大寺
聖武天皇を父とし、母は光明皇后。奈良時代の女帝・称徳天皇の鎮護国家の勅願によって創建された。平安遷都後、一時衰退したが、鎌倉時代に叡尊上人が「真言律」の根本道場として復興。巨大な茶碗で茶をふるまう「大茶盛式」や「光明真言土砂加持大法会」は、叡尊の志念を伝統行事として今に伝える。
●住所/奈良市西大寺芝町1-1-5
●TEL/0742-45-4700
●時間/8:30~16:30(本堂・愛染堂・四王堂・聚宝館)
※聚宝館は1/15~2/4、4/20~5/10、10/25~11/15のみ開館
●拝観料金/諸堂拝観共通券(本堂・愛染堂・四王堂)800円、
聚宝館300円
喜光寺
奈良時代の高僧・行基菩薩が養老5(721)年に創建。東大寺大仏建立のための布教活動の拠点とした寺。また、行基菩薩はこの寺で入滅した。本堂は、東大寺造営の際の大仏殿の雛型として建てられたとの伝承から「試みの大仏殿」と呼ばれる。蓮の名所として知られ、6月中旬~7月中旬には250鉢の蓮が境内を華やかに彩る。
●住所/奈良市菅原町508
●TEL/0742-45-4630
●時間/9:00~16:00
※蓮の開花時期の7月中の土・日曜、祝日は7:00~16:00
●拝観料金/500円、小・中学生300円
唐招提寺
奈良時代、唐の高僧・鑑真和上が聖武天皇に招かれ12年に及ぶ苦難の末、来日を果たし創建。境内には金堂、講堂、校倉(2棟)の貴重な天平建築が残る。新宝蔵には「唐招提寺のトルソー」と呼ばれる如来形立像などの諸仏を安置。御影堂の国宝・鑑真和上坐像は、日本に現存する最古の肖像彫刻で鑑真和上の深い精神性を感じさせる。
●住所/奈良市五条町13-46
●TEL/0742-33-7900
●時間/8:30~17:00(受付は16:30まで)
●拝観料金/1000円、新宝蔵200円
薬師寺
天武天皇が藤原京で発願し建立。平城遷都に伴い現在地に遷された。創建当時の唯一の遺構である東塔は、白鳳時代の様式を現在に伝える。昭和51(1976)年以降から主要な堂塔を復興しており、境内は色鮮やか。当時の華やかさをうかがい知ることができる。本尊の薬師三尊像は古代金銅仏の最高傑作として名高い。
●住所/奈良市西ノ京町457
●TEL/0742-33-6001
●時間/9:00~17:00(受付は16:30まで)
●拝観料金/1000円
ぶらり散歩お立ち寄りスポット
<平城宮跡>
平城宮跡を西へ横断し、これまでの歩みを振り返ると若草山の絶景が広がる。高い建物がなく開けた視界は、1300年前の奈良の景色を思わせる。
<竹中豆腐工房>
豊富なメニューが魅力の豆腐専門店。店主が手作りする豆腐は、国産の大豆とにがりを使用し、甘みが強く濃厚。豆乳のデザートも評判で、カフェとしても利用できる。
<不退寺>
平安時代の歌人・在原業平が、祖父の平城上皇が晩年に暮らした萱の御所を、自ら観音菩薩立像を刻み、寺にしたのが始まりとされる。
<和食・天ぷら処 石さん家>
夫婦が2人で営む「和食・天ぷら処 石さん家」。コーン油100%で揚げたあっさり味の天ぷらが評判で、自家製野菜をふんだんに使用。地元の人から愛され続けている。
<Astral Ray Coffee>
元保育士と元高校教師の2人が営むカフェ。コーヒーは季節ごとに豆が変わり、自家製のスイーツとのペアリングが楽しめる。期間限定のバスクチーズケーキと6~10月は星空レアチーズケーキがおすすめ。
<佐保川橋梁>
佐保川橋梁は有名な鉄道の撮影スポット。万葉歌人たちに愛された佐保川では、奈良時代に思いを馳せ、四季の移ろいを感じられる。
<川路桜>
江戸末期の奈良奉行・川路聖謨は、奈良公園、佐保川、平城宮跡に数千本もの桜を植樹したと言われ、樹齢170年を超える当時の桜は「川路桜」と呼ばれる。
<畠山製菓>
看板商品は「手焼きせんべい」と野球用具を模した「ベビーカステラ」。昭和8年頃に創業し、3代変わらぬ製法で店主が一枚ずつ手焼きする。旅のお土産に「大仏鉄道せんべい」をぜひ。
<大仏鉄道記念公園>
船橋通り商店街を抜けると、明治40年に廃止された幻の大仏鉄道「大仏駅」の跡地に整備された大仏鉄道記念公園が。
<Cafe&Bake Allons Bien CAFE&RESTAURANT POOL>
昔は薬局だったという昭和レトロな「Cafe&Bake Allons Bien」では、フランスの焼き菓子を。付近には、昼はカフェ、夜はカジュアルフレンチを楽しめる「CAFE&RESTAURANT POOL」が。
<おむすび処 和が家>
店主が研究し尽したおむすびは、米、海苔、具材のおいしさが口いっぱいに広がる。
<船橋通り商店街>
JR奈良駅東口を北上すると、昭和レトロを感じる船橋通り商店街が。