先日の朝、スマートフォンに着信があり、寝ぼけ頭で電話に出ると、警視庁捜査2課を名乗る人物だった。表示された番号の末尾は「0110」。警察を偽装した詐欺電話で、話も聞かずに切った。

　調べてみると発信地は米国・ミッドウェー諸島付近。注意を呼びかける書き込みがネット上にもたくさんあった。

　一瞬の通話とはいえ、犯罪組織の誰かが自分の番号をコールしたかと思うと気持ちのいいものではない。

　県内で特殊詐欺の被害が増加している。県警の発表によると、今年1月～3月の認知件数は84件で、前年同期に比べて34件増えた。

　驚くのは約5億1290万円に上る被害金額で、前年同期比で4億円以上も増えていた。警察官を名乗る詐欺被害も増加傾向だ。

　県警本部や県内各警察署の電話番号はいずれも末尾が「0110」だが、まねた番号の始まりが国際電話を示す「+」では、尻を隠して頭隠さずといったところだろう。

　彼を知り己を知れば百戦あやうからず。巧妙化する詐欺電話にもパターンがある。「その手には乗りません」の心構えで臨みたい。(増)