大阪・関西万博の会場を短時間だが歩いた…
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大阪・関西万博の会場を短時間だが歩いた。開幕前、小欄で万博を「心がときめかない」と書いたが、前言を撤回したい。思いのほか楽しい。
特にお勧めしたいのが、約90の国や地域による共同パビリオン「コモンズ館」。規模は大国の単独パビリオンに劣るものの、予約や行列に並ぶ必要もなく、世界を周遊した気分を味わえる。
なじみのない小国も多いが、それぞれの歴史や文化に触れることは知的好奇心をくすぐる。多様性を尊重し合う「万国博覧会」の趣旨を体現する施設といえる。
一方で、世界の現実も否応なく直視させられる。例えば、ロシアの侵攻を受けるウクライナのブース。「NOT FOR SALE(売らない)」と書いた看板を掲げ、展示物は自由や尊厳を表す。
また、パレスチナのブースは24日になって展示物がようやく届き公開。パレスチナ自治区ガザへの攻撃を続けるイスラエルの規制で輸送が遅れたという。
開幕前から賛否両論がある大阪・関西万博。その評価を下すにはもう少し時間はかかるかもしれない。今はあらためて万博の意義を考えたい。(法)