JR奈良線はその名に反し、正式な区間が…
JR奈良線はその名に反し、正式な区間が京都~木津(京都府木津川市)間で、奈良県内には1センチも入っていない。この少し不思議な路線で、今春、約35年ぶりに特急が運行される=24日付3面既報。
奈良と京都を結ぶ臨時特急「いにしへ」号は、4月19、20日、5月17、18日の土・日曜に各日1往復運行。途中の停車駅は宇治だけで、乗車券のほかに指定席特急料金1290円(全席指定)が必要だ。
同線は約半分の区間が複線化され、「みやこ路快速」などの快速電車も運行。ただ、奈良~京都間は、指定席特急なども走る近鉄京都線が所要時間や本数で優位に立つ。
元々、同区間に限らず県内の鉄道事情は、「近鉄王国」と言っても良い。しかし、4月には大阪・関西万博も開幕し、インバウンドを中心に県内の観光需要は高まっている。
そのため、JR西日本は大阪・新大阪と奈良を結ぶ特急「まほろば」を3月のダイヤ改正から、土曜休日は毎日運転。奈良と京都間にも特急を新設し、近鉄の牙城の切り崩しを図る。
JRの特急の利用状況がどのようになるか注目だ。(法)