米国のトランプ大統領が就任し、第2次政…
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米国のトランプ大統領が就任し、第2次政権をスタートさせた。新政権が私たちに何をもたらすのか、深い関心をもって見守りたい。
和訳された就任演説を読んだ。大統領令など政策面のこととは別に、米国の基調音のようなものを感じた。トランプ氏は「アメリカの歌」を歌っているのだ、と。
「わたしはアメリカが歌うのを聞く、そのさまざまな喜びの歌をわたしは聞く」(木島始訳)。170年前に初版が出た米国の詩集『草の葉』とトーンが同じではないか。
詩人の名はウォルト・ホイットマン。初めてわが国に紹介したのは夏目漱石とされる。ホイットマンが死去した1892年、漱石が雑誌で論評した。
漱石の評価は、ホイットマンの「独立の精神」と「平等主義」。歴史を背負ったヨーロッパから飛び出した人たちによる、自由・平等・独立の新しい国家。それが米国だ。
よって当然ながら、長い歴史をもつ日本国とは違う面があって当たり前。奈良に住んでいるから、特に強く感じるのかも。歴史の飛び越しはできない。トランプ流がどこまで通用するのか、見ものだ。(北)