阪神・淡路大震災発生時の第一夜、避難所…
阪神・淡路大震災発生時の第一夜、避難所の小学校の教室はストーブの熱で温かく、どの部屋も満員。一方で体育館は、広くスペースを利用できたものの寒気に満ちて人気がなかった。
避難所は被災状況によっては、打ちひしがれた気分で駆け込む場所だ。季節の寒暖に対応し、心身共に一息つける空間であってほしい。
知事は定例会見で、県立高校体育館の空調設備設置計画を前倒しで実施すると明かした。災害時に避難所となることも理由のようだ。
県都奈良市も同様の考えで、小中学校体育館の早期の空調設備設置を検討している。気候変動に伴いさまざまな自然災害が多発する現況を鑑みれば、多額の事業費は必要だろうが、早いに越したことはない。
一次被害を逃れても、避難環境のために健康を損ない、最悪死に至るといった事態は避けたい。それには可能な限り想像力を働かせて問題点を洗い出し、順次対策を実行していくしかない。
被災者の避難所、周辺地域での過ごし方は多様化している。個々への対応も必要だが、基本部分の改善への県、市町村の熱意に期待が高まる。(智)