大正から昭和初期の民具を展示する県立民…
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大正から昭和初期の民具を展示する県立民俗博物館が、16日から当面の間、休止する。老朽化した施設の改修と収蔵資料整理のためといい、再開は2027年度の予定だ。
同館は空調設備の故障で昨年も一時休館を余儀なくされるなど、老朽化が進む。初めて同館を訪れたのは小学校の遠足で、印象に残った水車を回す人形など、展示内容は当時と大きく変わっていないように思う。
学校の夏休みを前にした休止は残念だが、傷みの改修だけでなく、展示内容も一新してリニューアルしてほしい。
昭和、平成、令和と時代は進み、デジタル社会を迎える中で、展示資料と実生活の距離はどんどん開いていく。人の営みのつながりを知り、郷土愛を育てるためにも、民俗資料の果たす役割は大きい。
収蔵庫に収まり切らない資料は保管環境も十分でない館外の施設に保管されているという。木製品も多いはずで、傷みが心配だ。
同館に限らず、県の文化施設は改修などの手当てが後回しにされてきたように思う。深刻な事態になる前に、しっかりした予算付けをお願いしたい。(増)